【調査部のA部長(右)とW次長】
張込や尾行に支障が出るので、顔はモザイク加工、名前はイニシャルとさせていただきます。
2018年9月5日に原一探偵事務所で、2015年の初回から数えて通算6回目の取材を行いました。
取材のテーマは3つあったのですが、そのうちの一つが素行調査。
浮気調査と婚前調査以外の素行調査で実際にどんな依頼があったかという質問です。
受注統計を基に詳しく教えてもらうことができました。
親が子、またはその配偶者を調査 |
構成比 52% (これを100%とした時、わが子50%、嫁30%、婿20%) |
---|---|
子が自分の親を調査 | 構成比 10% 親の交際相手、詐欺被害疑惑などの調査。 |
兄弟同士、または他の親族間調査 | 構成比 38% 相続がらみが多い。 |
親族間以外の素行調査は、相談はあるものの依頼は少ないとのこと。
調査期間が必然的に長くなって見積もりが膨らむことや、調査すること自体のリスクがネックになっていると思われます。
子供が独身の場合、暮らしぶりがわからなくて心配で調査をかけることがあります。
お金の無心が増えたが、使途を言わないので心配になり、行動調査を依頼してこられた。
尾行を始めると、対象者は非常に周囲を警戒していることが見て取れた。
夜の住宅街で中国系(?)と思われる女に金を渡している。
その後、尾行対象をその女に切り替え、住所をつきとめた。
依頼者には一部始終を記録した報告書、動画、女の住所などを渡して仕事を完了した。
男の子は騙されていたのか、あるいは美人局等に引っかかって脅されていたのか?
依頼者からその後の報告はないので、何が起きていたのかは探偵社では把握していない。
あるいは、不審な交際相手について調べる場合もあります。
婚前調査の中の素行調査と調査内容は同じですが、こちらは結婚を前提としていません。
女子高生の娘が30~40代の男性と交際。
相手は「卒業したら結婚しよう」と言っているらしいが、話を聞くとその割にはホテルで短時間会うだけらしい。
遊ばれているのではと懸念して、探偵に調査を依頼。
娘を尾行して合流を確認、その後、尾行対象を相手男性に切り替えて住所をつきとめた。
調査の結果、相手は妻子持ちと判明し、依頼者は警察に通報した。
子供が既婚者の場合は、子供やその配偶者の素行調査といえば浮気調査が多くなります。
ですから、これはまあ浮気調査の一種に分類することもできるのですが、配偶者が依頼する普通の浮気調査とは違うともいえるので、こちらに分類しました。
1つめのケースは、嫁・婿と仲がよくて、親としての責任感が強い方によく見られます。
「わが子がこんないい嫁(婿)に迷惑かけて申し訳ない」というわけです。
しかし、「うちの子がそんなことをするはずはないから親が証明してみせる」という場合もあります。
老親の交際相手や、直接の金銭的損失に関係する調査が多いです。
どちらも子供に渡る遺産の額を左右する問題です。
大きな遺産がない場合も、老後の貯金まで奪われて無一文、あるいは自己破産となれば、子供に扶養の負担が大きくのしかかってきます。
老親の状況は把握しておかないと大きなリスクになるので、直接状況を確認できない時は、素行調査が有力な武器になります。
このほか、亡くなった親の愛人の調査が必要になる場合があります。
年配の女性の依頼者。夫の死後、愛人の親子が出現し、面会を求めてきた。
生前にマンション代が振り込まれ、生活費を渡していたことも判明し、愛人だったことは間違いない。
依頼者は非常に恐れていた。
遺産の話なのか?背後にヤクザがいたりしないか?
面会の日に相手の行動調査と所在調査を行うことになった。
遺書に愛人・子供に遺産を渡すように書かれていたために、愛人・子供の存在がわかった。
遺産相続の対策を先んじて打つために、奥さんはその人たちの調査を依頼してきた。
兄弟姉妹を調査する場合は遺産相続がらみが多いです。
相談段階では「兄弟のことが心配で…」という人が多いですが、本音は相続の取り分を増やしたいという狙いであることが大半です。
若い兄弟なら本当に心配なこともありますが、年配で長年音信不通または疎遠な兄弟の場合はほぼそうです。
例えば兄夫婦が親を施設に入れたが、場所を教えてくれない。見つけ出して遺産の話をしたい、など。
兄弟の配偶者が背後で糸を引いて画策するのを挫きたい場合もあります。
兄弟の浮気や結婚も自分の利害に関係すれば、調査を依頼してこられることがあるそうです。
探偵は人生の裏側を見る仕事ばかりしてきているので、そういう本音に対して「あさましい」といった価値判断はしません。
探偵は常に依頼者の味方で、依頼者の利益のために全力を尽くすので、恥ずかしがらずに本音で相談してほしいそうです。
本当の懸念や目的が明確であるほど、それにフィットしたベストの調査を実行できます。
浮気調査はどこの探偵社でもやりますが、行方不明者・失踪者の捜索はできない会社が多いです。
原一探偵事務所はこちらも得意なので、「行方知れずの相続人探し」にはうってつけです。
子供が死んだり、離婚した場合に、親権や遺産に関係して、お孫さんの調査を依頼してこられるケースがあります。
まず孫が未成年で親権者がいる場合は、その親権者の調査を依頼してこられる場合があります。
子供(成人男性)が亡くなって、孫は嫁のもとで暮らしている。
しかし、あの嫁は子供をちゃんと育てることができているのか?
育児放棄みたいな状況なら、祖父母が親権を取って引き取りたい。
ということで、嫁と孫の生活状況の調査を依頼。
孫が成人の場合、長年会ってなくて居場所もわからなければ、まず所在調査。そして所在がわかったら、次は行動調査となります。
子供が亡くなったので、自分たちの財産の相続権は孫にある。
しかし、長年会っていないので、先に様子を知りたい。
ちゃんと生活しているか?もし大変なら助けたい。
・・・と孫の所在調査と素行調査を依頼。
「終活」をしている人、死病を患い余命の見えた老人は、遺言書を書くためにも孫などの調査が必要になることがあるでしょう。
死を目前にした時、死ぬ前に一度会っておきたい親族が出てくるかもしれません。
その方が所在不明の場合や所在はわかるが今更会えない場合もあるでしょう。
原一探偵事務所はこうした場合にもお手伝いできるとのことでした。