【原一探偵事務所W探偵】
浮気調査は探偵の仕事で一番多く、依頼の7割を占めます。
素行調査の一種ともいえますが、含めない考え方の人もいると思います。
ただ主たる調査方法は同様で、尾行しながら行動を動画・静止画で撮影記録します。
デートのプロセスも大切ですが、ラブホテル出入りなど男女関係の間違いない証拠を押さえることが最重要です。
原一探偵事務所のW探偵に、浮気調査について聞いたインタビューを収録します。
尾行や張り込みに支障が出るので、顔はモザイク加工、名前はイニシャルとさせていただいています。
私: 相手が浮気している場合、いろんな兆候が出ますよね?
とかが代表的ですが、自分で調べても浮気の有無はある程度分かる場合が多いと思います。
そんな中でプロ探偵を雇って尾行・隠し撮りする浮気調査にはどんな意義があるのでしょうか?
W探偵: 今、挙げてもらったようなことは「兆候」「状況証拠」であって、二人が男女関係にあるという決定的証拠にはなりません。
どれも浮気以外の原因で説明可能なものばかりです。
例えば、おしゃれになり、流行の知識が増えたのは、「テレビや友人に触発されてもっと素敵に年を取ろうと思うようになっただけ」と言えるし、実際にそうなのかもしれない。
車中の髪の毛は「同僚のオバサンにたまたま出会って、最寄りの駅まで送ったので、その時に落ちたのでは?」と言えるし、実際にそうなのかもしれない。
私: LINEでの露骨なやり取りは証拠にならないでしょうか?「昨夜のHは最高だったよ!」みたいな。
W探偵: 相手の管理下にあるものはダメです。ロックも消去も相手が自由にできますから。
私: では、どんなものが男女関係の決定的な証拠になるのですか?
W探偵: 一番代表的なのは「ラブホテルに二人で出入りしている写真」です。
私: それは確かに言い訳不可能ですね。ラブホに二人で行って他の目的は考えられない。
W探偵: この種の写真は、裁判においても「不貞行為の証拠」として認められ、離婚の請求が可能になります。
裁判のことはひとまず置くとしても、問い詰めるなら言い訳不可能な証拠を握ってからにすべきなのです。
私: その理由は?
W探偵: 中途半端な証拠では、相手は浮気を認めない可能性が高いです。
さっき挙げたような「兆候」「状況証拠」は浮気以外の原因で説明可能なので、全部それで強弁します。
そしてその後は「兆候」「状況証拠」を残さないように注意して浮気を続行します。
私: そうなると、相手の動きがつかめなくなりますね。
W探偵: 兆候が消えても「やっぱり浮気してるのでは?」という苦悩は消えません。
逆に、以前は見られた兆候が消えたら、「浮気しているからこそ、慎重に証拠隠滅を図っているのでは?」という疑念が増すでしょう。
ついに耐えられなくなって探偵に浮気調査を頼むことになった時、中途半端な追及が高いツケになって返ってきます。
私: どういうことです?
W探偵: 相手は一度問い詰められているので、警戒度が上がっています。
浮気の時に絶えず振り返ったり、周囲を見回すなどの警戒行動が増え、尾行がやりにくくなります。
発覚を防ぐには尾行員の頻繁な交代が必要になり、探偵の必要人数が増えます。
私: 調査費用が増えますね?
W探偵: ほかにも各種の攪乱行動が増えます。
前触れなく突然タクシーに乗るとか、電車にいったん乗り込んで発車間際に飛び降りるとかです。
車なら一方通行の細い道が多い地区に入ったり、高速を乗り降りして巻こうとしたりします。
私: ほぼ調査不可能になることもあるわけですか?
W探偵: 警戒度がマックスに上がったら、普通の探偵社ではもう調査不可能です。
原一はそんな案件でも受任して結果を出しますが。
私: なるほど。中途半端に問い詰めず、やる時は決定的証拠で「一撃必殺」がいいわけですね?
W探偵: そう。そして先ほど挙げた兆候は気づいている素振りを見せずに記録を続けてください。
浮気が怪しい日(=調査の勝負日)を絞り込むのに役に立ち、調査費用の節約につながります。
そのあたりは無料相談で指導しますよ。
私: しかし、よく考えてみると、ラブホテルの出入りが撮れたとしても、本人特定ができない場合がありますね?
画像が暗いとか、不鮮明とか、帽子に隠れて顔が写っていないとかで。
W探偵: そういう写真は証拠能力がなく、無価値です。
ひどいのになるとラブホテルに停まっている車の写真だけを提出してくる探偵社もあります。
人が写っていなければお話にならないのはもちろんです。
私: 原一さんに頼めば、裁判の証拠として使える品質を約束してもらえるのでしょうか?
W探偵: 証拠として採用するかどうかの決定権は裁判官にあるので、約束まではそもそも法的に無理です。
しかし、必ず証拠として採用してもらえるだろうという自信の持てる写真を提供するようにしています。
私: では、逆に露骨でえげつない写真になる場合もある?
W探偵: はい。極端な場合、路上ディープキスや野外行為の写真になることもあり、ショックを受けられる場合もあります。
しかし、シロクロはっきりする証拠を取るのが自分たちの使命だと考えています。
私: それは依頼者が離婚を考えていない場合もですか?
W探偵: 依頼者が離婚や裁判を視野に入れているかどうかに関係なく、常に最高の品質の写真を最初から狙いに行きます。
単に浮気を白状させて仲直りしたいだけであっても、「言い逃れ不可能な証拠」で一撃必殺にしないとこじれる危険が大きいことはすでに説明しましたね。
私: ええ。
W探偵: そして、依頼時には離婚は考えていなくても、その後の展開はどうなっていくかわからないのです。
例えば、調査の結果、あまりにひどい事実が判明した場合。
こんなことが判明したとしたらどうです?
私: それは怒りが爆発して一気に離婚に傾くかもしれませんね。
W探偵: だが、相手は離婚に頑として応じないかもしれない。
協議で結論が出なければ調停、それでもダメなら裁判です。
その時になって改めて証拠品質の高い写真を、と言ったって手に入るかどうかわからないのです。
だからわれわれは最初から最高品質の写真を狙いに行き、その後がどう転んでも大丈夫なように備えるのです。
私: なるほど。
W探偵: それに離婚がらみの裁判といっても争点は色々あるんです。
離婚の可否自体はたいてい協議で解決し、調停や裁判まで進むことは少ないです。
しかし、他のことは裁判で熾烈な争いになりがちですから、最善を尽くして臨む必要があります。
例えば、親権は日本の法律では母親が圧倒的に有利です。
妻の浮気が原因で離婚になっても、親権は母親に行く可能性が高いんです。
母親失格みたいな女性に親権を渡したくないなら、調査段階から周到な準備が必要です。
親権が問題の場合は、浮気調査と少し取るべき証拠のポイントが変わってきますが。
私: 探偵に依頼する段階では考えていなくても、こういう争いになっていく可能性は確かにありますね。
W探偵: 裁判自体にもお金がかかります。
裁判官が認めてくれるか自信を持てない貧弱な証拠しかない状態では、とても裁判なんか起こせません。
私: それが、「最初からどう転んでも大丈夫なように準備する」ということの意味ですね。
よくわかりました。
今日はどうもありがとうございました。