ここでは素行調査の中心をなす行動調査に必要な装備について説明します。
行動調査とは、対象を尾行して隠し撮りしながら、行動を記録していくことです。
尾行にはまず車が必要です。
電車・バスなどの公共交通機関と徒歩のみで移動する可能性が極めて高い場合は、用意しない場合もあります。
しかし、その場合、もし途中で車での移動に切り替えられた場合、失尾する危険を冒すことになります。
対象がタクシーを拾ったり、別の人が車で迎えにきたりということも考えられる場合は、車を用意しておくべきです。
【調査車両とバイク(提供:原一探偵事務所)】
車両尾行がメインになる場合、チーム尾行のために2台以上の車が必要です。
また、怪しまれた時はすぐに車を替える必要があります。
こういうわけで、車両尾行をうまくやるためには、車をたくさん持っている必要があるのです。
優秀な探偵社は、車種・カラー・地域ナンバーのバリエ豊かに複数の車を所有しています。
さて、田舎で見慣れない乗用車が長時間停車していると目立ちます。
バンやワゴンなど、業務用車両の方が目立たなくてよいです。
そのため、原一探偵事務所のように、田舎での張り込み用に業務車両風の車を持っている探偵社もあります。
【業務用車風の張り込み車(提供:原一探偵事務所)】
また、バイクは車より機動性があり、しばしば有用です。
渋滞や車が入れない路地を抜けて先回りしたり、といった使い方ができます。
バイク部隊に力を入れている探偵社もあります。
チーム尾行のインフラとなるのが、車とともに通信装置です。
通信が一瞬途切れたために失尾するとか、大切なチャンスを見逃すということが起きえます。
だから、信頼性の高い通信装置を使うべきです。
【デジタル業務無線(提供:原一探偵事務所)】
スマホのグループトークアプリなどを使う探偵社が多いですが、警察のようにデジタル業務無線を使う探偵社もあります。
これは高価ですが、スマホより圧倒的に信頼性の高い機器です。
張り込みでも最新の機器が使われる場合があります。
業界大手の原一探偵事務所では、遠隔カメラを使用しています。
【遠隔カメラのモニター車(提供:原一探偵事務所)】
小型のカメラを、例えば自社の自転車のカゴに仕込んで、張り込みしたい場所にさりげなく放置します。
映像をWiFiで飛ばし、離れた場所の車の中のモニターで見張るのです。
これだと張り込み現場に人がいなくても見張れるので、狭くて張り込みできる場所がない場合や目立つ場所の場合もOKです。
ありそうな装置にも思えますが、案外今までなかったものだそうです。
隠し撮りには様々な種類のカメラが使用されます。
遠方から狙う場合は、望遠レンズ付きの一眼レフが使われます。
しかし、店舗やレストランの中、あるいはラブホテルの出入りなどは、仕込みカメラを使うことが多いです。
【ペン型カメラ(提供:原一探偵事務所)】
メガネ、腕時計、タバコなどにカメラが組み込まれたものです。
子供の探偵ごっこのおもちゃのようですが、こういうものが現実のプロ探偵の調査で使われています。
普通のカメラと違って、撮影前に画角を確認できないので、使いこなすには高いスキルが必要です。
【腕時計型カメラ(提供:原一探偵事務所)】