ここでは聞き込み調査について説明します。
情報を持っていそうな人に質問して情報を得ていく調査方法です。
上手くやれば非常に良い情報が取れる調査方法ですが、発覚の危険も大きいので注意が必要です。
調査対象の人物について何か知っていそうな人に話を聞いて情報を得ることです。
たとえば、結婚相手当人の素行調査であれば、次のような項目に関する情報を集めます。
相手が学校の同級生なら学生時代のエピソードも興味深いですし、行きつけの居酒屋の主人なら飲酒時の様子も聞きたいところです。
問題は、こういう事をストレートに質問できないことが多いということです。
ストレートに聞きだせる場合ももちろんあります。
例えば、聞き込み相手が調査対象の以前の住所の隣人で、今は調査対象とつながりがないことがはっきりしている場合。
かつこちらを信用して話す気になっている場合です。
しかし、こういう楽なケースは少ない。
聞き込みは、相手のガードを取り払って話させるとともに、発覚の可能性を下げる配慮が求められる、高度な調査技術なのです。
警察は捜査権という公的権力に基づいて聞き込みをします。
警察の捜査の目的は社会的正義に沿うものであることは自明です。(たまに悪徳警官もいますが)
だから、ストレートな質問ができるし、聞かれた方もなるべく正直に答えようとします。
しかし、探偵には捜査権のようなものはありません。
アメリカの私立探偵は少し違うらしいですが、日本の探偵は一般人以上の権限は何も持っていないのです。
そして個人の依頼でやっているわけですから、調査の目的も公益にかなうものかどうかわかりません。
実際に差別につながるような調査をやっている探偵もいるわけです。
だからストレートに「○○さんについて教えてほしいのですが・・・」などと探偵が質問してもなかなか答えてもらえません。
「ああ、普通の人ですよ。よくは知りませんが。」と当たり障りのない答えをするか、「君は何者だ?探偵か?そんな質問に答える義務はない!」と回答拒否する人が多いです。
昔は知らない相手に無責任なうわさ話をする人がたくさんいましたが、近年はみんな慎重になっています。
要するに、警察でない者が話をうまく引き出すには、テクニックが必要ということです。
聞き込みは発覚の危険が大きい調査方法です。
話を聞いた相手が調査対象と親しい場合、「誰かがおまえのことを調べに来たぞ」と通報されてしまいます。
尾行も発覚の危険はありますが、取り押さえられて白状でもしない限り証拠はなく、思い過ごしの可能性も残ります。
しかし、ストレートな質問の形で聞き込みをした場合は、誰かが調べているのは明白です。
聞き込みは聞き込み相手と調査対象の関係を測りながら、発覚の危険の少ない聞き方をすることが求められます。
聞き込みの目的は、調査対象について何か悪い情報がないかのチェックであることが多いです。
そういう意味で、調査対象について悪い情報を持っている相手、嫌っている相手からは話を聞きだしやすいのではないかと思うかもしれません。
しかし、これもそうとは限りません。
通報される危険はないですが、話してもらえるとは限りません。
自分が何か言ったことが伝わって、場合によっては報復されることを恐れて、何も言わないかもしれないからです。
調査対象が凶悪ないしは面倒な人物であるほど、この効果で何も聞き出せない可能性が出てきます。
このように、聞き込みはなかなかデリケートで難しい調査なのです。
そのあたりをよく踏まえて、慎重に上手にやってくれる探偵社を選ばないと、調査をかけたがためにすべてがぶち壊しになる危険もあります。